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自動車鈑金塗装の開業支援 > 開業コラム > ガラスリペアとは?飛び石の傷を補修できる目安と交換・車検の関係
ガラスリペアとは、飛び石などでフロントガラスにできた小さな傷やひびに専用の樹脂(レジン)を注入して固め、ひびの広がりを止めて見た目も目立たなくする補修のことです。ガラスを外さずに作業できるので、交換より短い時間と少ない費用で済みますが、傷の大きさや場所によっては補修できず、交換になります。
この記事では、ガラスリペアの仕組み、補修できる傷の目安、交換との違い、車検で見られる保安基準との関係、鈑金工場がガラスリペアをメニューに加えるときの準備を整理します。保安基準は国土交通省の公表している条文と細目告示で、カメラ付きガラスの扱いは道路運送車両法施行規則と国土交通省の特定整備の問答集で確かめました。出典は記事の最後に載せています。
乗用車のフロントガラスは、2枚の板ガラスの間に樹脂の膜をはさんだ合わせガラスが一般的です。飛び石が当たると、外側の1枚に丸い欠けや星形のひびができます。放っておくと、走行中の振動や車内外の温度差でひびが伸び、補修できない長い線になることがあります。
ガラスリペアでは、傷の部分に専用の器具を取り付け、傷の中の空気を抜きながら樹脂を押し込みます。樹脂が奥まで入ったら紫外線で固め、表面を平らに仕上げます。目的は、ひびが広がらないようにすることと、光の乱反射を減らして傷を目立たなくすることの2つで、新品と同じ状態に戻すものではありません。傷の跡は、角度によってうっすら見えることがあります。
ガラスリペアはひびの広がりを止めるための樹脂の補修
ガラスリペアとは、飛び石でフロントガラスの外側にできた欠けや小さなひびに専用の樹脂を注入し、紫外線で固めて、ひびの進行を止め、傷を目立たなくする補修方法です。乗用車のフロントガラスは2枚の板ガラスの間に樹脂の膜をはさんだ合わせガラスが一般的で、飛び石の傷は多くの場合、外側の1枚にとどまります。そのうちに補修すれば、ガラスを外さずに作業を終えられます。ただし補修の跡は、角度によって見えることがあります。傷を放置すると、振動や温度差でひびが伸びて補修できなくなるため、お客様には「早めに持ち込めば補修で済む可能性が高い」と伝えるのが、工場にとってもお客様にとっても損の少ない案内です。
ガラスリペアで補修できる傷の大きさについて、国や業界団体が定めた数字の基準はありません。補修材料の販売元や施工する工場がそれぞれ目安を示しているのが実情です。そのため、ここでは数字の代わりに、判断に使う4つの観点を示します。
| 観点 | 補修に向く | 交換を考える |
|---|---|---|
| 傷の大きさ | 欠けが小さく、ひびが短い | ひびが長く伸びている |
| 傷の深さ | 外側の1枚にとどまっている | 内側のガラスまで達している |
| 傷の位置 | ガラスの中ほど、運転者の視野から外れた場所 | ガラスの縁、運転者の正面、カメラの前 |
| 傷の数 | 1か所か少数 | 多くの場所に散らばっている |
ガラスの縁にかかる傷は、縁から割れが伸びやすいので補修に向きません。運転者の正面にある傷は、補修の跡が視界に入るため、補修できる大きさでも交換をすすめる工場があります。カメラの前にある傷は、補修の跡がカメラの見え方に影響するおそれがあるため、車のメーカーの修理書で扱いを確かめます。
補修か交換かは大きさ・深さ・位置・数の4点で決める
ガラスリペアで補修できる傷の大きさには、国や業界団体が定めた数字の基準がなく、補修材料の販売元や工場がそれぞれ目安を示しています。判断は傷の大きさ、深さ、位置、数の4点で行い、欠けが小さくひびが短い傷、外側の1枚にとどまる傷、ガラスの中ほどにある傷、1か所だけの傷が補修に向きます。反対に、ひびが長く伸びた傷、内側のガラスまで達した傷、ガラスの縁や運転者の正面にかかる傷、多くの場所に散らばった傷は交換を考えます。前方を見るカメラの前にある傷は、補修の跡がカメラに影響するおそれがあるので、車のメーカーの修理書を確認してから受けます。迷うときは写真を撮って記録し、補修後もひびが伸びる場合があることを先に伝えておきます。
ガラスリペアとガラス交換は、作業の中身も、必要な設備や手続きも違います。とくに、前方を見るカメラがガラスに付いている車では、交換は特定整備(電子制御装置整備)に当たる作業になります。
| 比べる点 | ガラスリペア | ガラス交換 |
|---|---|---|
| 作業 | 傷に樹脂を注入して固める | ガラスを外し、新しいガラスを接着する |
| 時間 | 短い。ガラスは外さない | 接着剤が固まるまでの時間も含めて長い |
| カメラ付きの車 | ガラスを外さない | カメラが付いたガラスの脱着は電子制御装置整備に当たり、エーミングが要る |
| 仕上がり | 跡がうっすら残ることがある | 新品のガラスになる |
道路運送車両法施行規則第3条は、前方の状況を検知するセンサーが取り付けられた車体前部や窓ガラスの取り外しなどを電子制御装置整備と定めています。国土交通省の特定整備の問答集でも、カメラ付きのガラスを脱着した場合はエーミングが要るとされています。この作業は、電子制御装置整備の認証を受けた工場でなければ事業として行えません。なお問答集の問5では、認証を受けた工場の構内で、その工場の管理の下で作業する旨の取り決めを書面で交わしていれば、ガラス交換を行う人が認証を受けていなくても作業できるとされています。認証と外注の考え方はエーミングと特定整備で、認証の取り方は認証工場とはで説明しています。
カメラ付きガラスの交換は電子制御装置整備になる
ガラスリペアはガラスを外さずに傷へ樹脂を注入する補修で、ガラス交換はガラスを外して新しいガラスを接着する作業です。道路運送車両法施行規則第3条第8号は、前方の状況を検知するセンサーが取り付けられた車体前部または窓ガラスの取り外しなどを電子制御装置整備としており、2020年4月1日から特定整備の一つになりました。国土交通省の問答集でも、カメラが付いたガラスを脱着したらエーミングが必要とされています。つまり、カメラ付きの車のフロントガラス交換は、電子制御装置整備の認証を受けた工場でなければ事業として受けられません。認証のない鈑金工場は、補修はガラスリペアで自社で受け、交換は認証工場やガラスの専門店に外注するという分け方が現実的です。
フロントガラスの傷は、車検で保安基準に合っているかを見られます。道路運送車両の保安基準第29条は、窓ガラスについて次のように定めています。
細目を定める告示第195条では、前面ガラスと側面ガラスについて、透明で運転者の視野を妨げるようなひずみのないこと、運転者が交通状況を確かめるために必要な視野の範囲で可視光線の透過率が70%以上であることを求めています。傷の大きさを何ミリまでなら合格とする数字は、これらの条文にはありません。ひびが運転者の視野を妨げると判断されれば、車検に通らないおそれがあります。
ガラスリペアで補修した傷が車検に通るかどうかも、補修後の状態で判断されます。「補修すれば必ず車検に通る」と案内するのは避け、車検が近いお客様には、補修と交換のどちらにするかを早めに決めてもらうよう伝えます。
保安基準は傷の大きさではなく視野で判断する
フロントガラスの傷と車検の関係は、道路運送車両の保安基準第29条と細目告示第195条で決まります。第29条第2項は、前面ガラスが損傷した場合でも運転者の視野を確保でき、容易に貫通されないことを求め、告示第195条は、前面ガラスと側面ガラスが透明で運転者の視野を妨げるひずみがないこと、視野の範囲で可視光線の透過率が70%以上であることを定めています。条文には「直径何ミリまでの傷なら合格」という数字はなく、傷やひびが運転者の視野を妨げるかどうかで判断されます。そのため、ガラスリペアの後で車検に通るかどうかも補修後の状態しだいです。鈑金工場は「補修すれば必ず通る」と言わず、車検の時期を聞いたうえで、補修と交換の両方の見積を示すのが誠実な案内です。
ガラスリペアは、補修の器具、樹脂、紫外線のライトがあれば始められ、鈑金塗装の設備のような大きな投資は要りません。鈑金工場で始めるときは、次の順で準備します。
鈑金工場は、事故の修理や車検前の点検でフロントガラスを見る機会が多い業種です。小さな傷を見つけたときに「今なら補修で済みます」と声をかけられるだけで、交換に比べて小さな金額の仕事を確実に取れます。練習用のガラスはリサイクルパーツの仕入れ方で紹介している仕入れ先から探せます。新しいメニューの知らせ方は板金塗装工場の集客方法を参考にしてください。
ガラスリペアは小さな投資で始められる追加のメニュー
鈑金工場がガラスリペアをメニューに加えるのに必要なのは、補修の器具、専用の樹脂、紫外線のライトと、器具の扱いを学ぶ講習です。塗装ブースや乾燥機のような大きな設備は要りません。準備の順番は、講習で器具の使い方と補修できる傷の見分け方を学ぶ、廃車のガラスで練習する、補修できない傷の基準と交換の外注先を決める、受付の書面に跡が残る場合やひびが伸びる場合を書く、料金と作業時間の目安を出す、の5段階です。事故の修理や点検で入庫した車のガラスに小さな傷を見つけたら声をかけ、ひびが伸びる前に補修を勧めます。カメラ付きのガラスの交換は電子制御装置整備に当たるので、認証のない工場は外注先と組んで受けます。
開業準備や新しいメニューのご相談は、お問い合わせフォームからどうぞ。ご相談は、自動車整備・自動車販売・自動車鈑金などの事業者様に限って受け付けています。
補修後の状態で判断されます。保安基準第29条と細目告示第195条は、前面ガラスが運転者の視野を妨げないことを求めていますが、傷の大きさの数字は定めていません。運転者の視野を妨げると判断されれば通らないおそれがあるので、車検が近い場合は交換も含めて検討してもらいます。
国や業界団体の数字の基準はなく、補修材料の販売元や工場がそれぞれ目安を示しています。大きさだけでなく、深さ、位置(縁や運転者の正面、カメラの前ではないか)、傷の数で判断します。
要ります。前方を見るカメラが付いたガラスの脱着は、道路運送車両法施行規則第3条第8号の電子制御装置整備に当たり、脱着後はエーミングも必要です。認証のない工場は、認証工場やガラスの専門店に外注します。
あります。補修はひびの進行を止めることを目的としていますが、傷の状態によっては伸びることがあります。受付の書面に書いておき、伸びた場合の対応も先に決めておきます。
使えます。日本カーネットの整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、顧客と車両の管理、見積・請求、車検の案内に使えます。自動車整備システムを整備システム 比較で選ぶときは、補修の履歴を車両ごとに残し、車検の前にガラスの状態を案内できるかを見てください。
記載内容は2026年10月24日時点で公表資料を確認したものです。許認可や法令の個別の判断は、所管の官庁・自治体・専門家にご確認ください。
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