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自動車鈑金塗装の開業支援 > 開業コラム > 自動車車体整備士とは?受験資格・試験と板金塗装技能士との違い、開業に要るか
自動車車体整備士とは、道路運送車両法第55条に基づいて国土交通大臣が行う自動車整備士の技能検定のうち、「車わく及び車体」を対象とする国家資格です。鈑金塗装の作業そのものに資格は要りませんが、車体整備士を持っていると、電子制御装置整備の認証を取るときに整備主任者になれる道が開けるなど、開業後の仕事の幅に関わってきます。
この記事では、車体整備士の位置づけ、受験資格と試験の中身、板金や塗装の技能士(技能検定)との違い、鈑金工場の開業で車体整備士が要るかどうかを整理します。受験資格と試験日は国土交通省と日本自動車整備振興会連合会(日整連)の案内で、認証との関係は道路運送車両法施行規則で確かめました。出典は記事の最後に載せています。
自動車整備士の種類は、自動車整備士技能検定規則第2条で決められています。一級から三級までのガソリン・ジーゼル・シャシ・二輪などの区分と並んで、「自動車タイヤ整備士」「自動車電気装置整備士」「自動車車体整備士」の3つが特殊整備士として置かれています。車体整備士の技能検定の対象は、規則の表で「車わく及び車体」とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 道路運送車両法第55条(国土交通大臣が行う自動車整備士の技能検定) |
| 種類 | 自動車整備士技能検定規則第2条の「自動車車体整備士」 |
| 対象 | 車わく及び車体 |
| 試験 | 学科試験と実技試験。日整連の登録試験に合格すると、国の検定の試験が免除される |
自動車整備士の資格体系は見直しが決まっていて、国土交通省は2022年5月25日に、電子制御の内容を含む資格を設けるなどの改正を公布しました。主な改正は2027年1月1日に施行され、新しい規則に基づく試験は最短で2027年3月に行われる予定です。日整連の令和8年度第2回登録試験(学科は2027年3月14日)の案内には、「自動車車体」と並んで「自動車車体・電子制御装置」の試験の種類が載っています。
車体整備士は「車わく及び車体」を対象とする国家資格
自動車車体整備士とは、道路運送車両法第55条に基づき国土交通大臣が行う自動車整備士の技能検定のうち、「車わく及び車体」を対象とする種類で、自動車整備士技能検定規則第2条に、タイヤ整備士、電気装置整備士と並ぶ特殊整備士として定められています。試験は学科と実技で、日整連の登録試験に合格すれば国の検定の試験が免除されます。資格体系は2022年5月25日公布の改正で見直され、主な部分は2027年1月1日に施行されます。日整連の令和8年度第2回登録試験の案内には、従来の「自動車車体」と並んで「自動車車体・電子制御装置」という試験の種類が載っており、車体の資格にも電子制御の知識が求められる流れになっています。受験の時期を決めるときは、最新の案内を確かめてください。
車体整備士の学科試験を受けるには、自動車の整備の実務経験か、養成施設の課程の修了が要ります。日整連の令和8年度第2回登録試験の案内では、車体の受験資格を次のように示しています。
実技試験は、同じ種類の学科試験に合格した人が受けられます。国土交通省の受験資格の一覧では、自動車車体整備科を免許職種とする職業訓練指導員試験の合格者や、職業能力開発校で自動車車体整備科の訓練(訓練期間2年以上、訓練時間2,800時間以上)を修了した人は、8か月以上の実務経験で受けられるとされています。実務経験として認められる作業の範囲や、学歴による短縮があるため、詳しくは最寄りの自動車整備振興会に問い合わせてください。
車体整備士は実務1年4か月以上か養成施設の修了で受けられる
自動車車体整備士の受験資格は、日整連の令和8年度第2回登録試験の案内によると、学科試験が「15歳以降の実務経験が1年4か月以上ある者、又は1種養成施設の車体課程修了者等」で、実技試験は同じ種類の学科試験に合格した人です。国土交通省の受験資格の一覧では、自動車車体整備科の職業訓練指導員試験の合格者や、職業能力開発校で訓練期間2年以上・訓練時間2,800時間以上の自動車車体整備科を修了した人は、8か月以上の実務経験で受けられるとされています。鈑金塗装の工場で働いた期間が実務経験にどこまで数えられるかは、作業の内容で判断されるため、受験を考えたら最寄りの自動車整備振興会に、勤め先の証明の取り方とあわせて早めに相談するのが確実です。
車体整備士の試験は、国が行う技能検定のほかに、国土交通大臣の登録を受けた日整連が行う登録試験があります。登録試験に合格すると、国の検定の学科試験や実技試験が免除されます。日整連の案内による、令和8年度の登録試験のあらましは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学科試験の形式 | 四肢択一のマークシート。車体は40問、80分 |
| 受験手数料(第2回) | 学科(一級以外)12,500円、実技18,000円(いずれも税込) |
| 第1回の日程 | 申請 2026年7月27日〜31日、学科 2026年10月4日 |
| 第2回の日程 | 申請 2026年12月14日〜18日、学科 2027年3月14日 |
| 申請先 | 最寄りの自動車整備振興会(受験申請書は振興会に備え付け) |
実技試験は、現物の部品や装置、実車を使って点検・測定・判定を行い、結果を記入する方式です。実技試験をどの種類について、いつ行うかは回ごとに違うので、日整連の案内で確かめてください。合格基準は合格発表のときに日整連のホームページで公表されます。
登録試験は年2回、学科は40問80分のマークシート
自動車車体整備士の試験は、日整連が国土交通大臣の登録を受けて行う登録試験で受けるのが一般的で、合格すると国の技能検定の学科試験や実技試験が免除されます。日整連の令和8年度の案内では、第1回の学科試験が2026年10月4日、第2回が2027年3月14日で、第2回の申請受付は2026年12月14日から18日までです。車体の学科は四肢択一のマークシートで40問、試験時間は80分です。第2回の受験手数料は、学科(一級以外)が12,500円、実技が18,000円(いずれも税込)とされています。実技試験は現物や実車での点検・測定・判定の記入方式で、実施する種類と日程は回ごとに違います。申請は最寄りの自動車整備振興会で行い、受験資格を証する証明書も要ります。
「板金の資格」と言われるものには、国土交通省の自動車整備士(車体整備士)と、厚生労働省の技能検定の2系統があります。技能検定は、職業能力開発促進法に基づく国家検定で、中央職業能力開発協会と都道府県職業能力開発協会が実施しています。
| 比べる点 | 自動車車体整備士 | 技能検定(工場板金・塗装など) |
|---|---|---|
| 所管 | 国土交通省 | 厚生労働省 |
| 根拠 | 道路運送車両法第55条 | 職業能力開発促進法 |
| 対象 | 自動車の車わく及び車体 | 金属の板金加工、金属の塗装など。自動車に限らない |
| 主な職種・作業 | 自動車車体整備士の1種類 | 工場板金(打出し板金作業など)、塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業など) |
| 認証との関係 | 電子制御装置整備の認証で整備主任者や必要な人数に数えられる | 認証の要件には使われない |
中央職業能力開発協会の職種一覧では、工場板金は主に各種の工業製品に使われる板金を対象としており、自動車の車体修理だけを対象とした作業はありません。塗装の技能士も同じで、自動車に特化した検定ではありません。それでも、板金や塗装の技能を公の検定で示せるので、取引先への説明や求人で役立てる工場もあります。
車体整備士は国交省、板金・塗装の技能士は厚労省の資格
自動車車体整備士と板金・塗装の技能士の違いは、所管と対象です。車体整備士は国土交通省が道路運送車両法第55条に基づいて行う自動車整備士の技能検定の一種で、対象は自動車の車わく及び車体に限られます。技能士は厚生労働省所管の職業能力開発促進法に基づく技能検定で、中央職業能力開発協会と都道府県職業能力開発協会が実施し、工場板金(打出し板金作業など)や塗装(金属塗装作業など)のように、自動車に限らない金属の加工や塗装の技能を測ります。認証との関係でも差があり、車体整備士は電子制御装置整備の認証で整備主任者や必要な人数に数えられますが、技能士は認証の要件に使われません。開業の手続きに効くのは車体整備士です。
外板の板金や塗装の作業だけなら、車体整備士がいなくても開業できます。車体整備士が効いてくるのは、認証を取るときです。道路運送車両法施行規則の定めでは、事業場の区分によって、整備主任者になれる人と、必要な資格者の数が次のように違います。
| 事業場の区分 | 整備主任者になれる人(第62条の2の2) | 車体整備士の扱い |
|---|---|---|
| 分解整備を行う | 一級または二級の自動車整備士 | 整備主任者になれず、従業員の4分の1以上という資格者の数にも数えられない |
| 電子制御装置整備だけを行う | 一級の自動車整備士、または二級・車体・電気装置などの整備士で、運輸監理部長か運輸支局長の講習を修了した人 | 講習を修了すれば整備主任者になれる。従業員の4分の1以上という資格者の数にも数えられる(第57条) |
| 分解整備と電子制御装置整備の両方 | 一級の自動車整備士、または二級の整備士などで講習を修了した人 | 整備主任者にはなれない |
前方のカメラやレーダーが付いたバンパーやガラスの脱着は、電子制御装置整備に当たります。鈑金工場がこの作業を自社で受けるために、電子制御装置整備だけの認証を取るなら、車体整備士に講習を受けてもらう道があります。認証の要件の詳細は認証工場とはで、エーミングとの関係はエーミングと特定整備で説明しています。板金塗装に関わる資格と講習の全体は板金塗装に資格は必要?にまとめています。
車体整備士は電子制御装置整備の認証で効いてくる
鈑金工場の開業に、自動車車体整備士は必ずしも要りません。外板の板金や塗装の作業には資格が要らないからです。車体整備士が効くのは認証を取るときで、道路運送車両法施行規則第62条の2の2では、電子制御装置整備だけを行う事業場の整備主任者に、車体整備士で運輸監理部長か運輸支局長の講習を修了した人がなれると定めています。第57条の認証の基準でも、電子制御装置整備だけの事業場では、車体整備士が従業員の4分の1以上という資格者の数に数えられます。一方で、分解整備を行う事業場の整備主任者は一級か二級の自動車整備士に限られ、車体整備士は人数にも数えられません。センサー付きのバンパーやガラスの脱着を自社で受けたい鈑金工場にとって、車体整備士は認証への近道になる資格です。
開業準備や人の確保のご相談は、お問い合わせフォームからどうぞ。ご相談は、自動車整備・自動車販売・自動車鈑金などの事業者様に限って受け付けています。採用の進め方は板金塗装の求人・採用ガイドも参考にしてください。
開業できます。外板の板金や塗装の作業に資格は要りません。車体整備士が関わるのは、電子制御装置整備の認証を取るときの整備主任者と、資格者の人数の要件です。
日整連の令和8年度第2回登録試験の案内では、学科試験は15歳以降の実務経験が1年4か月以上ある人、または1種養成施設の車体課程を修了した人などが受けられます。実務経験の短縮がある場合もあるので、最寄りの自動車整備振興会に確かめてください。
なれません。道路運送車両法施行規則第62条の2の2では、分解整備を行う事業場の整備主任者は一級または二級の自動車整備士に限られます。車体整備士は、講習を修了すれば、電子制御装置整備だけを行う事業場の整備主任者になれます。
主な改正は2027年1月1日に施行され、新しい規則に基づく試験は最短で2027年3月に行われる予定です。日整連の令和8年度第2回登録試験の案内には「自動車車体・電子制御装置」の種類が載っています。受験の前に、日整連と国土交通省の最新の案内を確かめてください。
資格の一覧そのものより、顧客と車両の管理、見積・請求に使うのが中心です。日本カーネットの整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、顧客と車両の管理、見積・請求、車検の案内に使えます。認証を取って整備の仕事が増えたら、自動車整備システムを整備システム 比較で選び直すときに、鈑金見積の取り込みと車検の案内の両方に対応しているかを確かめてください。
記載内容は2026年10月24日時点で公表資料を確認したものです。受験資格や認証の個別の判断は、最寄りの自動車整備振興会や運輸支局にご確認ください。
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