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フレーム修正機とは?フレーム修正の種類・計測・設置スペースと選び方

公開日:2026年10月24日 / 更新日:2026年10月24日 / 執筆:日本カーネット株式会社

フレーム修正機とは、事故で曲がった骨格を固定して油圧で引き戻す設備です。床式・定盤式・簡易型の3種類の違い、車体寸法図による計測、設置スペースと床・電源、選び方の6つの順番を、国交省の2026年調査も交えて解説します。

フレーム修正機とは、衝突で曲がった車の骨格を、車をしっかり固定したうえで油圧の力で引いたり押したりして、元の寸法に戻すための設備です。今の乗用車の多くは、骨組みと外板が一体になったモノコック構造なので、ここでいうフレーム修正は、フロントサイドメンバーやピラー、フロアといった骨格部分の修正(骨格修正)を指します。

この記事では、フレーム修正の考え方、フレーム修正機の種類、修正に欠かせない計測、設置に要るスペース・床・電源、自分の工場に合う修正機の選び方を整理します。骨格の作業時間については、国土交通省が2026年6月に公表した事故車修理の標準作業時間の調査結果も紹介します。出典は記事の最後に載せています。

フレーム修正(骨格修正)とは

フレーム修正は、事故の力で縮んだり曲がったりした骨格を、決められた位置へ戻す作業です。外板の凹みを叩いて直す板金と違い、車全体の寸法が相手になります。測る範囲も広くなります。前から当たった車なら、フロントサイドメンバーが縮み、エンジンルームの左右の幅や、サスペンションの取付位置がずれていることがあります。

骨格がずれたまま外板だけを直すと、ドアやボンネットのすき間がそろわない、タイヤの向きが合わずまっすぐ走らない、といった症状が残ります。前方を見るカメラやレーダーの向きがずれることもあり、骨格の修正は走りの安全に直接つながります。修正しきれないほど傷んだ部品は、引いて戻すのでなく、切り取って新しい部品に替える判断も要ります。

フレーム修正は車全体の寸法を元に戻す作業

フレーム修正(骨格修正)とは、衝突で縮んだり曲がったりした車の骨格を、車を固定したうえで油圧の力で引く・押すなどして、メーカーが定めた寸法へ戻す作業です。今の乗用車の多くはモノコック構造で、独立したフレームを持たないため、修正の対象はフロントサイドメンバー、ピラー、フロア、サイドシルなどの骨格部分になります。骨格がずれたまま外板だけを直すと、ドアやボンネットのすき間、ホイールアライメント、前方のカメラやレーダーの向きに狂いが残るおそれがあります。外板の板金が見た目を戻す仕事なら、フレーム修正は車の寸法と走りを戻す仕事です。戻しきれない部品は切り取って交換するので、修正と交換の両方を見積に入れて考えます。

フレーム修正機の種類

フレーム修正機には決まった分類の規格はありませんが、工場での使われ方から見ると、おおむね次の3つに分けられます。製品によっては、リフトと一体になったものや、計測装置と組み合わせたものもあります。

種類 つくり 向いている工場 気をつけること
床式(フロア式) 作業場の床にレールやアンカーを埋め込み、車を固定してタワーやチェーンで引く 同じ場所を普段は一般の作業にも使いたい工場 床の工事が要り、あとから場所を動かしにくい
定盤式(ベンチ式) 鉄の台(定盤)に車を載せて固定し、台を基準にして引く・測る 中破から大破の骨格修正を多く受けたい工場 台の分だけ場所を取る。車を台に載せる手間がある
簡易型 持ち運べるタワーや油圧の工具で、部分的に引く 軽い損傷の修正から始めたい工場 大きな力をかける修正や、車全体の寸法出しには向かない

決め手は2つ。受けたい修理の大きさと、作業場の広さです。開業したばかりで骨格の大きな修正をあまり受けない工場なら、簡易型と計測器から始め、大きな修正は設備のある工場に出す、という段階の踏み方もあります。

床式・定盤式・簡易型は受けたい損傷の大きさで選ぶ

フレーム修正機は、使われ方から床式、定盤式、簡易型の3つに大きく分けられます。床式は作業場の床にレールやアンカーを埋め込み、普段はその場所を一般の作業にも使えるのが長所ですが、床の工事が要り、あとから移しにくい設備です。定盤式は鉄の台に車を固定して台を基準に引くため、中破から大破の骨格修正と計測に向いていますが、台の分の場所を常に取ります。簡易型は持ち運べるタワーや油圧工具で部分的に引く方式で、費用も場所も小さく済む反面、車全体の寸法を出す大きな修正には向きません。開業直後は簡易型と計測器で軽い修正を受け、大きな修正は外注しながら件数を数え、それから床式か定盤式を入れるという順番も選べます。

フレーム修正の計測(車体寸法の確認)

フレーム修正は、測ってから引きます。どこがどれだけずれているかを測り、引きながら測り、終わったら測って記録する、という流れで進めます。基準になるのは、自動車メーカーの修理書に載っている車体寸法図です。骨格の決められた穴や点のあいだの距離と高さが示されています。

計測の道具 測れること
トラムトラッキングゲージ 2点のあいだの距離。左右の対角線を比べてねじれを見る
センタリングゲージ 車の中心線と高さのずれ。複数を吊って並びを見る
電子計測装置 多くの点の位置を立体で測り、基準の寸法と比べて表示する

計測の記録は、修理が正しく終わったことをお客様や損害保険会社に示す資料にもなります。保険修理の協定では、骨格の作業に時間がかかる理由を、修正前と修正後の計測の数字で示せます。協定の進め方はアジャスターとは?保険修理の流れと協定で説明しています。

骨格の作業時間の調査(国土交通省・2026年6月)

国土交通省の事故車修理の標準作業時間の調査では、トヨタ ヤリスのラジエータサポートやフロントサイドメンバーのインナーなどの取替について、ドイツの会社が作ったCAB工数が25.9時間、自研指数が15.0時間でした。国土交通省は、限られた車種と作業の参考値で、個別の事案の作業時間の根拠に使うのは適当でないとしています。骨格の作業は時間の見込みがずれやすい作業なので、自社の作業記録を残しておくことが見積の根拠になります。

計測は修正の前・途中・後の3回とり、記録を残す

フレーム修正の計測とは、自動車メーカーの修理書に載っている車体寸法図を基準に、骨格の決められた点のあいだの距離と高さを測り、ずれを数字で確かめることです。道具は、2点間の距離を測るトラムトラッキングゲージ、中心線と高さのずれを見るセンタリングゲージ、多くの点を立体で測る電子計測装置が代表的です。計測は修正の前、引いている途中、修正の後の3回行い、数字を記録に残します。記録は、修理が正しく終わったことをお客様に示す資料になり、保険修理の協定では作業時間の根拠にもなります。国土交通省の2026年6月の調査では、ヤリスの骨格部品の取替でCAB工数25.9時間に対し自研指数15.0時間という差が出ており、骨格の作業ほど自社の記録が効いてきます。

フレーム修正機の設置スペースと電源・床

フレーム修正機は、本体の大きさだけで場所を決めると失敗します。車を引く方向に、タワーやチェーンを伸ばす余裕と、人が安全に動ける通路が要ります。引いている最中にチェーンやクランプが外れると危険です。引く方向の先に人が立たない配置にします。

物件を探す段階で、フレーム修正機を置く場所を図面に描いてみると、必要な広さがはっきりします。中古の修正機を入れるときの付属品と油圧系の確かめ方は鈑金塗装の設備を中古で揃えるにまとめています。

設置場所は引く方向の余裕と床の工事で決まる

フレーム修正機の設置スペースは、本体の寸法に、車を四方へ引くためのタワーやチェーンの余裕と、人が安全に動ける通路を足して考えます。床式はアンカーやレールを床に埋め込むため、コンクリートの厚さと状態を工事業者に見てもらい、借りた建物なら工事の可否を貸主に確かめておきます。定盤式は台の大きさの分だけ常に場所を取り、リフト一体型や持ち上げて作業する機種は天井の高さも要ります。油圧ポンプが電動なら電源の種類と容量、エア式ならコンプレッサーの能力を確認します。引いている最中にチェーンやクランプが外れることを考え、引く方向の先に人が立たない配置にするのが安全の基本です。物件を決める前に、図面へ修正機の位置を描き込んで確かめます。

フレーム修正機の選び方

順番が大事です。フレーム修正機を選ぶときは、次の順で考えると迷いにくくなります。

  1. 受けたい修理の大きさ:軽い損傷が中心か、中破から大破まで受けるか
  2. 扱う車種:軽自動車、乗用車、ミニバン、SUVなど、固定できる車の大きさと重さ
  3. 付属品:車種に合うクランプやアタッチメント、チェーンがどこまでそろうか
  4. 計測との組み合わせ:どの計測器と組み合わせて使うか
  5. 作業場の条件:広さ、床、天井、電源、エア
  6. 新品か中古か:中古なら付属品の欠品と油圧系の状態

骨格を直すとき、サスペンションのアームやアクスルなどを外す作業が入ると、道路運送車両法施行規則第3条の分解整備に当たり、認証を受けた工場でなければ事業として行えません。認証の取り方は認証工場とはで、前方のカメラやレーダーに関わる作業はエーミングと特定整備で説明しています。

また、骨格まで損傷して修理した車は、中古車として売るときに「修復歴」の対象になることがあります。修復歴の決まりは修復歴の定義で、中古車販売の側から説明しています。

選ぶ順番は「受けたい修理」から「作業場の条件」へ

フレーム修正機の選び方は、受けたい修理の大きさ、扱う車種、付属品、計測器との組み合わせ、作業場の条件、新品か中古かの6つを、この順に決めていくと迷いません。軽い損傷が中心なら簡易型と計測器、中破から大破まで受けるなら床式か定盤式が候補になります。ミニバンやSUVを多く扱うなら、固定できる車の大きさと重さ、車種に合うクランプがそろうかを確かめます。骨格の修理でサスペンションのアームやアクスルを外すと道路運送車両法施行規則第3条の分解整備に当たり、認証工場でなければ受けられないので、認証の有無で受けられる修理の範囲も変わります。骨格まで損傷した車は中古車の修復歴に関わるため、修理の記録を残しておくと、のちに車を売るお客様の役にも立ちます。

設備の選び方や開業準備のご相談は、お問い合わせフォームからどうぞ。ご相談は、自動車整備・自動車販売・自動車鈑金などの事業者様に限って受け付けています。

よくある質問

フレーム修正機がなくても鈑金工場は開業できますか?

開業できます。外板の板金塗装が中心なら、最初はフレーム修正機を持たず、骨格の修正が要る車は設備のある工場に外注する方法もあります。件数が増えてから簡易型や床式を入れる工場もあります。

フレーム修正をした車は修復歴車になりますか?

骨格部位の損傷や修理は、中古車の修復歴に関わります。どの部位が対象になるかは、本文で紹介した修復歴の定義の記事をご覧ください。修理の内容と計測の記録を残しておくと、あとで説明を求められたときに役立ちます。

フレーム修正機の置き場所にはどれくらいの広さが要りますか?

機種によって違うので、販売元に必要な寸法を出してもらいます。本体の大きさに、四方へ引くための余裕と通路を足して考えます。床式は床の工事が要るので、借りた建物では貸主の了解も必要です。

フレーム修正の作業時間はどう見積もればよいですか?

保険修理では指数を使うのが一般的ですが、骨格の作業は実際の時間とずれやすい作業です。修正前・途中・後の計測と作業時間を記録し、自社のレバーレートと合わせて見積の根拠にします。見積の組み立て方は板金塗装の見積の作り方にまとめています。

修理の記録を残すのに整備システムは使えますか?

使えます。日本カーネットの整備システム・整備ソフト DREAM POWERは、顧客と車両の管理、見積・請求に使え、修理の履歴を車両ごとに残せます。整備システム リースなしで始めたい、整備ソフト 安いものを探している場合も、修理の履歴と見積・請求が一つにつながるかを先に確かめると、あとで困りません。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月24日時点で公表資料を確認したものです。修正の方法と寸法は自動車メーカーの修理書に従い、許認可の個別の判断は所轄の運輸支局などにご確認ください。

自動車鈑金塗装の開業、まず何から始めますか?

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