日本カーネットのおすすめサービス
自動車鈑金塗装の開業支援 > 開業コラム > 板金塗装とは?板金と鈑金の違い・板金屋の仕事の流れと整備工場との違い
板金塗装とは、事故やこすりで傷んだ車のボディを、板金で元の形に戻し、塗装で色と表面の保護を取り戻す修理のことです。板金は金属やバンパーの「形」を直す作業、塗装はその上に塗料を重ねて「色」と「さびや紫外線から守る膜」を作る作業で、2つを合わせて板金塗装と呼びます。この仕事を専門にする工場が、いわゆる板金屋(鈑金工場)です。
この記事では、板金と塗装それぞれの役割、「板金」と「鈑金」の表記の違い、板金屋の仕事の流れ、整備工場との違いを、車の修理に詳しくない人にも分かるように説明します。後半では、板金屋として開業を考えている人が最初に読む記事への入口もまとめました。法律の内容は道路運送車両法をe-Gov法令検索で、漢字の扱いは文化庁の常用漢字表で確かめています。出典は記事の最後に載せています。
車のボディは、薄い鋼板やアルミ板、樹脂のバンパーでできています。ぶつけた部分は、へこんだり、曲がったり、割れたりします。板金は、この変形を叩き出しや引き出し、パテでの仕上げで元の形に戻す作業です。損傷が大きく直すより替えたほうがよい場合は、パネルや部品を交換します。
形が戻っても、そのままでは下地がむき出しで、さびが出たり色が周りと違ったりします。そこで塗装の工程に入ります。下塗り(サフェーサー)で表面を整え、車の色に合わせて作った塗料を吹き付け、最後に透明のクリヤーを重ねてつやと耐久性を出します。車の色に合わせる作業は「調色」と呼ばれ、仕上がりの見え方を大きく左右します。
| 工程 | 何を直すか | 主な作業 |
|---|---|---|
| 板金 | へこみ、曲がり、ゆがみなどの「形」 | 叩き出し、引き出し、パテ付けと研磨、パネルの交換、溶接 |
| 塗装 | 色と表面の保護 | 足付け、下塗り、調色、上塗り、クリヤー、乾燥、磨き |
板金塗装は「形を直す板金」と「色と膜を作る塗装」の組み合わせ
板金塗装とは、車のボディの損傷を、板金で元の形に戻し、塗装で色と保護の膜を作り直す修理の総称です。板金は鋼板やアルミ板、樹脂バンパーのへこみや曲がりを、叩き出し、引き出し、パテ付けと研磨、パネルの交換で直す工程です。塗装は、下塗りのサフェーサー、車の色に合わせて調合した塗料、透明のクリヤーを順に重ね、乾燥と磨きで仕上げる工程で、さびや紫外線から車体を守る役目もあります。小さなこすり傷なら塗装だけ、深いへこみなら板金から塗装まで、と傷の深さで工程が変わります。色合わせの調色は経験の差が出やすく、仕上がりの満足度を決める工程の1つです。
色合わせの具体的な手順は調色のやり方で詳しく説明しています。
「板金」と「鈑金」は、どちらも「ばんきん」と読み、意味は同じです。違うのは漢字の使い方です。「板」は常用漢字ですが、「鈑」は文化庁の常用漢字表(2010年11月30日内閣告示、2,136字)に入っていません。そのため、新聞や公的な文書、国家検定の名前では「板金」が使われます。国の技能検定でも、職種名は「工場板金」「建築板金」と書かれています。
一方で「鈑」は金へんの字で、金属の板そのものを表します。自動車の修理業界では、工場の看板や社名、業界の資料で「鈑金」が長く使われてきました。「自動車鈑金塗装」「鈑金工場」と書くと、車の修理を指していると伝わりやすい面もあります。
「板金屋」と検索すると、自動車の修理工場のほかに、屋根や雨どい、外壁の金属工事を行う建築板金の会社も出てきます。技能検定に「建築板金」という職種があるとおり、建物の板金も板金屋と呼ばれるからです。車の修理を探すなら「自動車 板金塗装」「車 鈑金」のように、車を表す言葉を足すと目的の工場が見つかりやすくなります。
「板金」と「鈑金」は同じ意味で、違うのは常用漢字かどうか
「板金」と「鈑金」は、どちらも金属の板を加工して形を作る、または直す仕事を指し、意味に違いはありません。違いは漢字の扱いで、「板」は常用漢字、「鈑」は文化庁の常用漢字表(2010年内閣告示の2,136字)に入っていない字です。このため公的な文書や国家検定では「板金」と書かれ、中央職業能力開発協会が実施する技能検定の職種名も「工場板金」「建築板金」です。自動車の修理業界では、社名や看板に「鈑金」を使う工場が今も多くあります。どちらで書いても誤りではありません。お客様向けのホームページやチラシでは、両方の表記を本文に入れておくと、どちらで検索した人にも見つけてもらいやすくなります。
板金屋に車が入ってから返すまでの流れは、おおむね次のとおりです。保険を使う修理では、見積のあとに保険会社との話し合いが入ります。
1台の修理にかかる日数は、傷の大きさ、部品の届く日、塗装の乾燥の時間で変わります。お客様の車を数日預かることが多いため、代車を用意している工場も少なくありません。保険を使う修理の流れはアジャスターと保険修理の流れで、見積の作り方は板金塗装の見積の作り方で説明しています。
板金屋の1台の仕事は「受付・見積から納車まで9段階」
板金屋(鈑金工場)の仕事は、受付と損傷の確認、見積、保険会社との確認、部品の手配、板金、下地づくり、調色と塗装、組み付けと磨き、検査と納車の9段階で進みます。保険を使わない修理では保険会社との確認がなく、8段階になります。修理代は、主に部品代、作業ごとの工賃、塗装する面の広さで決まり、同じ傷でも直すか交換するかで金額が変わります。塗装は塗装ブースで行い、乾燥の時間が要るため、小さな傷でも即日で終わらないことがあります。車を預かる日数が数日から1週間以上になる修理もあるので、受付のときに納車の目安と代車の有無を伝えておくと、お客様は予定を立てやすくなります。
板金屋は車の外側のボディを直す工場、整備工場はエンジンやブレーキなど車が走るための装置を点検し、直す工場です。実際には、両方の仕事を行う工場もあります。
| 項目 | 板金屋(鈑金工場) | 整備工場 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | ボディのへこみ、傷、塗装の修理 | 車検、点検、エンジンやブレーキなどの修理 |
| 国の認証 | 板金と塗装だけなら不要 | 特定整備を行うなら地方運輸局長の認証が要る |
| 主な設備 | 塗装ブース、フレーム修正機、溶接機、調色の設備 | リフト、測定器、点検の工具 |
道路運送車両法では、原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置、連結装置などを取り外して行う整備を「特定整備」と定めています(第49条第2項)。この特定整備を仕事として行うには、事業場ごとに地方運輸局長の認証を受ける必要があります(第78条)。事故の修理でサスペンションやブレーキを外す作業が入るときや、前方カメラやレーダーの調整(エーミング)が要るときは、この認証が関わります。認証の考え方は、整備士向けのサイトの分解整備とはで説明しています。カメラやレーダーの調整についてはエーミングと特定整備も参考にしてください。
板金と塗装だけなら認証は不要、特定整備を伴う修理には認証が要る
板金屋と整備工場の違いは、直す場所と国の認証の要否です。ボディの板金と塗装だけを行うなら、国の認証も資格も法律上は要りません。一方、道路運送車両法第49条第2項は、ブレーキやサスペンションなどの装置を取り外して行う整備や、それらの作動に影響を及ぼすおそれのある整備を「特定整備」と定めており、これを事業として行うには第78条により事業場ごとに地方運輸局長の認証を受ける必要があります。事故の修理では足回りの部品交換や、前方カメラ・レーダーの調整が入ることがあり、こうした作業は認証を受けた工場で行います。認証を持たない板金屋は、その部分を認証工場に頼む体制を作っておくと、修理を断らずに済みます。
板金塗装の作業そのものに国家資格は要らないため、腕に自信のある職人が独立して板金屋を開くことは珍しくありません。ただし、開業の準備は作業の技術とは別のところで多くなります。塗料やシンナーは消防法の危険物にあたるので保管の量に決まりがあり、屋内で溶剤系の塗料を使うなら有機溶剤の作業主任者や健康診断の決まりも関わります。
開業を考え始めた人は、まず板金塗装で開業するにはで全体の流れをつかみ、次に板金塗装に資格は必要かで、自分が受けたい仕事に要る講習や資格を確かめてください。塗装ブースや塗料の保管の決まりも、同じサイトの記事で順に説明しています。
板金屋の開業は「資格不要」でも準備は多い
板金屋として開業するときに、板金と塗装の作業そのものに国家資格は要りません。準備が多くなるのは作業の周りで、塗料やシンナーは消防法の第4類危険物にあたるため保管の量に応じた届出や許可が関わり、屋内で溶剤系の塗料を使う作業には有機溶剤中毒予防規則の作業主任者の選任や6か月以内ごとの健康診断(従業員を常時つかせる場合)が関わります。さらに、塗装ブースを置ける物件か、事故修理で特定整備が入ったときにどこへ頼むか、代車をどう用意するかも、開業前に決めておくことです。まずは開業の全体の流れを読み、自分が受けたい仕事の範囲を決めてから、資格、設備、物件の順に調べると迷いにくくなります。
開業の準備や、開業後の事務の仕組みづくりで迷ったら、お問い合わせフォームからご相談ください。ご相談は、自動車整備・自動車販売・自動車鈑金などの事業者様に限って受け付けています。
車のボディのへこみや傷を、板金で元の形に戻し、塗装で色とつやを取り戻す修理です。小さなこすり傷なら塗装だけで直すこともあります。
どちらも正しく、意味は同じです。「鈑」は常用漢字表に入っていないため、公的な文書や技能検定では「板金」と書かれます。自動車の修理業界では「鈑金」もよく使われています。
ボディのへこみや塗装の傷は板金屋、車検やエンジン、ブレーキの不具合は整備工場が受け持ちます。事故で足回りまで傷んだ場合は、特定整備の認証を持つ工場での作業が入ります。両方を行う工場もあります。
板金と塗装の作業そのものには国家資格は要りません。ただし、屋内で溶剤系の塗料を使うなら有機溶剤作業主任者の選任など、作業の周りで必要になる講習や届出があります。開業の全体の準備とあわせて確かめてください。
見積、納品書、請求、顧客と車両の履歴をつなげて管理できる仕組みがあると、再来店のときに過去の修理をすぐ確かめられます。鈑金工場でも使える自動車整備システムを選ぶときは、整備システム 比較のサイトで鈑金見積の取り込みや代車管理に対応しているかを確かめてください。詳しくは鈑金工場の業務管理システムで説明しています。
記載内容は2026年10月24日時点で公表資料を確認したものです。許認可や法令の個別の判断は、所管の官庁・自治体・専門家にご確認ください。
自動車鈑金塗装の開業、まず何から始めますか?
代車の準備・中古設備・キャッシュレス決済・リサイクルパーツの仕入先・ホームページ・業務管理システムまで、開業に必要なサービスをまとめてご提案します。自動車業界一本で20年以上のノウハウをもとに、ご相談は無料でお受けしています。
無料で相談・資料請求する※ご相談受付は、自動車整備/自動車販売/自動車鈑金などの事業者様のみとさせていただきます。
自動車鈑金塗装のスタート支援